アングレカムは、厚みのある白い花を咲かせる着生ランです。
ほかのランには見られない長い「距(きょ)」や、空中に伸びる根が特徴的で人気があります。
栽培難易度は中級者向けと、やや難しい種類になりますが、この記事では栽培のポイントをわかりやすくまとめてみました。
「距」とはどのような器官なのかや、花の性質にちなんだ花言葉などもご紹介するので、どうぞ最後までチェックしてみてくださいね!
今回はアングレカムについてのポイント、
以上12個の点についてお伝えします。
まずはアングレカムの育て方からお伝えします!
目次(クリックで飛べます)
アングレカムの育て方は?
アングレカムは天気や気温によって、室内へ取り込む必要があるため、鉢植えで管理しましょう。
アングレカムの栽培は「季節に合った管理」がポイントになります。
ここからさらに詳しくお伝えします。
最初は、アングレカムが好む環境についてお伝えします!
アングレカムの育て方!環境はどうする?
アングレカムはとても日光を好むので、一年を通して日当たりのよい場所で育てましょう。
天気の良い日は屋外のよく日の当たる場所で管理します。
強い直射日光は葉焼けの原因になるので、春と秋の日差しの強い日は30%、夏は50%程度に遮光してあげると、きれいな葉色を保つことができますよ。
低温多湿を嫌うので、雨の日や梅雨時期は室内へ取り込んでください。
寒さに弱く、晩秋~冬は室内管理になります。気温は15℃以上の環境が必要です。
アングレカムを上手に育てるには、環境に合わせて用土選びが重要になります。
次は、アングレカムに適した用土についてお伝えします!
アングレカムを育てる際の適した用土は何?
水はけがよく、ほどよい保水性のある用土が適しています。
小型種は「水ゴケ」「バーク」などがおすすめです。
大型種は市販の「洋ランの土」でもよく育ちます。
肥料を与える場合は、時期と濃度に注意してください。
次は、アングレカムに必要な肥料についてお伝えします!
アングレカムの育て方!肥料はどうする?
5~7月と9月に、薄めた液体肥料を7~10に1回を目安に施します。
肥料が濃いと、根が肥料焼けを起こしてしまうので、液肥は規定量の2倍に薄めてください。
真夏と冬は肥料を与えずに管理します。
アングレカムは根と地上部で好む水分量にちがいがあります。
そういった場合は、次のポイントに注意してみてください。
では次は、アングレカムの水やりポイントについてお伝えします!
アングレカムを育てる際の水の量はどうする?
春~秋は水切れしないように、用土が乾きはじめたらたっぷり水を与えましょう。
晩秋~冬はやや乾燥気味に管理します。
冬は多湿になると根が傷みやすいので、水のあげ過ぎには注意してください。
根は多湿に注意が必要ですが、地上部は乾燥に気をつけなくてはいけません。
部屋の湿度を上げるか、ときどき葉水を行い、強く乾燥するのを防ぎましょう。
以上で基本的なアングレカムの育て方については終わりです。
次はアングレカムの画像をご紹介します!
アングレカムの画像(写真)!
ラン科アングレカム属の多年草です。
自生地では、ほかの植物の樹皮などに着生して育ちます。
アングレカムには花の後ろに「距(きょ)」という器官があり、その中には蜜腺があります。
この細長い「距」を見たダーウィンは、「この花が受粉するために、距と同じ長さの口吻をもった蛾がいるにちがいない」と考えました。
その当時そのような蛾は発見されておらず、「ただの想像」にすぎませんでした。
しかしダーウィンが亡くなって20年後にその蛾が発見されたのです。
これは「ダーウィンの予言」として、植物学の世界で有名な話になりました。
そんなアングレカムの花は、どの時期が見頃なのでしょうか?
次は、アングレカムの開花時期や花の特徴についてお伝えします!
アングレカムの開花時期や季節はいつ頃なの?花の特徴は?
アングレカムは冬~春に咲く花で、開花時期は11~4月頃です。
花色は主に白色で、花茎の先端に1輪咲かせるものや、数十輪咲かせるものもあります。
夜にはよい香りを放ち、これは夜行性の昆虫に花粉を運んでもらうためと考えられています。
アングレカムを植え付けするときは、根に傷がつかないように丁寧に作業しましょう。
次は、アングレカムの苗の植え付けについてお伝えします!
アングレカムの苗の植え付けのポイントは?
アングレカムは春頃が植え付けの適期です。
アングレカムは用土や環境の変化に敏感なので、根鉢は崩さずに植え付けします。
用土は苗が植えてあった植え込み材に、なるべく近いものを用意しましょう。
鉢植えで上手に管理するには、鉢選びも大事なポイントになります。
次は、アングレカムの鉢植えのポイントについてお伝えします!
アングレカムの鉢植えのポイントは?
小型の品種は通気性のよい、素焼きの鉢がおすすめです。
大型の品種は草丈が50㎝ほどまで成長するので、倒れないように重くて大きめの鉢を使いましょう。
根づまりには注意が必要ですが、アングレカムは頻繁な植え替えを嫌います。
数年経っても根づまりしないように、株よりも1~2周り大きな鉢を選びましょう。
大きな鉢は多湿になりやすいので、通気性のよい環境に置き、適した水やりを行うことがポイントになります。
では植え替えはどのくらいの頻度で行えばよいのでしょうか?
次はアングレカムの植え替えについてお伝えします!
アングレカムの植え替えのポイントは?
2~4年に1回くらいを目安として、4月下旬~6月の時期に行いましょう。
傷んだ水ゴケなどを取り除いて、1~2周り大きな鉢と新しい用土へ植え付けします。
株の上部から空中に根を伸ばしますが、無理に地中へ埋める必要はありません。
空中へ出た根は、そのまま育てましょう。
アングレカムはむずかしい剪定作業は必要ありません。
必要な作業は「花がら摘み」だけ。やり方も簡単なので、ぜひチェックしておいてくださいね。
次は、アングレカムの剪定(花がら摘み)についてお伝えします!
アングレカムの剪定(花がら摘み)のポイントは?
花が咲き終わったら、花茎を根元から切り落としてください。
少し早め(花の終わりかけ)に切ってあげると、株の消耗が抑えられますよ。
一般的な洋ランは「株分け」や「高芽取り」などで増やすことができます。
ではアングレカムの場合はどうでしょうか?
次は、アングレカムの増やし方についてお伝えします!
アングレカムの増やし方!
アングレカムは増やすのが難しい種類の植物です。
品種によって、株が成長してくると子株ができることがあります。
子株がある程度大きくなったら切り離して、新しい用土に植え付けしましょう。
屋外で管理することが多いアングレカムは、とくに次のような害虫に注意が必要です。
害虫は病気の原因にもなるので、しっかりチェックしておきましょう。
次は、アングレカムのかかりうる病気や害虫についてお伝えします!
アングレカムのかかりうる病気や害虫の対策方法は?
アングレカムが注意すべき害虫に「コナカイガラムシ」「カイガラムシ」がいます。
コナカイガラムシは体が白い綿毛のような分泌物で覆われた、体長1.5~3㎜の害虫です。
どちらの害虫も、成虫になると薬剤が効きずらくなるため、幼虫のうちに殺虫剤で駆除しましょう。
コナカイガラムシは風で飛びやすく、ほかの植物にも移るので、しっかりと駆除してください。
この2種のカイガラムシの分泌物が原因で、「すす病」にかかってしまうことがあります。
発症した部分の葉は取り除いて、カビに効果のある薬剤で殺菌します。
害虫を駆除しないと、病気を完治できません。
風通しをよくして、日当たりのよい場所で管理することが防虫につながります。
「アングレカムってどこで売ってるの?」という質問をよく耳にします。
たしかに近くのホームセンターなどでは、あまり見かけませんよね。
ではアングレカムはどこで販売されているのでしょうか?
次は、アングレカムの販売についてお伝えします!
アングレカムはどこで販売されているの?
アングレカムはランの中でも珍しい品種で、園芸店などでもなかなか販売されません。
「アングレカム・レオニス」という種類は、ホームセンターなどでも取り扱いが増えてきています。
確実なのは、ランの専門店やランを多く扱っているネット通販など。
価格は2.5号鉢の苗が、1,000~2,000円で販売されています。
ぜひチェックしてみてくださいね!
先ほどお伝えした「ダーウィンの予言」によって、アングレカムは別名「ダーウィンのラン」とも呼ばれています。
「Angraecum(アングレカム)」という名前には、マレー語で「着生ラン」を意味する、「angurek」が由来になっているんですよ。
花言葉にもこの「着生」にちなんだものがあるんです。
次は、アングレカムの花言葉についてお伝えします!
アングレカムの花言葉はなに?
アングレカムの花言葉は「祈り」「いつまでもあなたと一緒」です。
ほかの樹木に着生して成長することが、「いつまでもあなたと一緒」という花言葉の由来になっています。
「祈り」は静寂な雰囲気をもつ花姿から連想させたものです。
アングレカムには超小型種から大型種まで、さまざまなタイプの種類があります。
次は、アングレカムの種類や品種についてお伝えします!
アングレカムの種類や品種は何があるの?
原産国であるマダガスカル周辺には、200以上の種類があるといわれています。
日本の気候でも栽培できる品種をいくつかご紹介したいと思います。
「アングレカム・セスキペダレ」
マダガスカル固有の着生ランで、大型種のなかでも代表的な品種です。
草丈は100㎝ほどまで成長し、白または緑色の六芒星形の花を咲かせます。
花径は約15㎝と大輪で、距も20~35㎝ととても長くなるのが特徴です。
「アングレカム・レオニス」
小型種で短い茎には、長さ5~25㎝の肉厚で固めの扁平な葉を左右につけます。
花茎は1.5~2㎝ほどで、先端に花径約6㎝の白い花を一輪~数輪咲かせます。
やや耐寒性があり育てやすく、園芸店などで見つけやすい品種です。
「アングレカム・ディスティクム」
極小型の原種で、熱帯アメリカが原産です。
茎に半月状の肉厚な葉が並んでつくのが特徴で、葉のあいだから花径約5㎝の白い花を咲かせます。
それでは最後に、これまでのおさらいをしていきましょう。
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アングレカムのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは12個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①アングレカムの育て方(環境、土、肥料、水やり)
一年を通して日当たりのよい場所で育てましょう。
水はけがよく、ほどよい保水性のある用土が適しています。
肥料は5~7月と9月に、薄めた液体肥料を7~10に1回を目安に施します。
春~秋は水切れしないように、用土が乾きはじめたらたっぷり水を与えましょう。
晩秋~冬はやや乾燥気味に管理します。
②アングレカムの画像(写真)!
アングレカムの画像をご紹介しました。
ひかえめながらも存在感のある花を、ぜひチェックしてみてくださいね!
③アングレカムの開花時期や季節はいつ頃なの?花の特徴は?
冬~春に咲く花で、開花時期は11~4月頃です。
花色は主に白色で、夜になるとよい香りを放ちます。
花の後ろに、長い「距(きょ)」があるのが特徴です。
➃アングレカムの苗の植え付けのポイントは?
春頃が植え付けの適期です。
用土や環境の変化に敏感なので、根鉢は崩さずに植え付けします。
⑤アングレカムの鉢植えのポイントは?
小型の品種は通気性のよい、素焼きの鉢がおすすめです。
大型の品種は草丈が50㎝ほどまで成長するので、倒れないように重くて大きめの鉢を使いましょう。
⑥アングレカムの植え替えのポイントは?
2~4年に1回くらいを目安として、4月下旬~6月の時期に行いましょう。
株の上部から空中に根を伸ばすこともありますが、無理に地中へ埋める必要はありません。
⑦アングレカムの剪定(花がら摘み)のポイントは?
花が咲き終わったら、花茎を根元から切り落としてください。
花がらは早めに摘むことがポイントになります。
⑧アングレカムの増やし方!
品種によって、株が成長してくると子株ができることがあります。
子株がある程度大きくなったら切り離して、新しい用土に植え付けしましょう。
⑨アングレカムのかかりうる病気や害虫の対策方法は?
アングレカムが注意すべき害虫に「コナカイガラムシ」「カイガラムシ」がいます。
どちらの害虫も、成虫になると薬剤が効きずらくなるため、幼虫のうちに殺虫剤で駆除してください。
カイガラムシの分泌物は「すす病」の原因になります。
害虫はしっかりと駆除して、病気を予防しましょう。
⑩アングレカムはどこで販売されているの?
地域によって「アングレカム・レオニス」という種類は、ホームセンターなどでも購入することができるようです。
確実なのは、ランの専門店やランを多く扱っているネット通販など。
価格は2.5号鉢の苗が、1,000~2,000円で販売されています。
⑪アングレカムの花言葉はなに?
アングレカムの花言葉は「祈り」「いつまでもあなたと一緒」です。
⑫アングレカムの種類や品種は何があるの?
原産国であるマダガスカル周辺には、200以上の種類があるといわれています。
日本の気候でも栽培できる品種には「アングレカム・セスキペダレ」「アングレカム・レオニス」「アングレカム・ディスティクム」などがあります。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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