みなさんこんにちは。
今回は、オニルリソウについてまとめていきたいと思います。
オニルリソウはムラサキ科オオルリソウ属の越年草です。
別名「一年生植物」とも言われ1年間に、種子→発芽→開花→種子のサイクルを行います。
茎・葉・種の全てが短毛に覆われており、特に種の毛は先端が鉤状であり、人の衣服や動物の体毛にひっつくことで有名です。
今回は、オニルリソウについてのポイント、
以上7個の点についてお伝えします。
まずはオニルリソウの育て方からお伝えします!
目次(クリックで飛べます)
オニルリソウの育て方は?
オニルリソウは主に山地に生える「山野草」です。
さわりでも触れましたが「越年草(一年生植物)」でもあり、ちょうど1年でその一生を終えてしまいます。
そのためオニルリソウを毎年楽しむためには、一年ごとに種を採取し栽培する必要があります。
通常、オニルリソウは種か苗から育てることが基本となります。
種は先端がカギ状の固い「鉤状毛」を持ち通称「ひっつき虫」とも呼ばれ、動物の体毛などにくっつき運んでもらい、新たな土地で芽吹きます。
成育下ではポットなど小さな容器に撒き、間引きなどを繰り返しながら丈夫な苗を生育させましょう。
オニルリソウの発芽苗は成長速度が早く、概ね4〜5ヶ月後には地植えに移行することが可能です。
山野草であるオニルリソウは日本全国と朝鮮半島に分布しますが、暑さに弱い面があり、沖縄などの熱帯域には生息していません。
そのため育てる際にも暑さへの対処が必要不可欠です。
ここからさらに詳しくお伝えします。
最初は、オニルリソウが好む環境についてお伝えします!
オニルリソウの育て方!環境はどうする?
オニルリソウは山地の平地・森林域に生息するので、暑さと直射日光に非常に脆い植物です。
耐暑性が低く越年草という特徴を持つので、最初の植え付けポイントが重要となります。
オニルリソウは半陰性…つまり、完全に日の当たらない場所ではなく、時折日が差し、周囲に日が当たる様な木陰等を好みます。
清涼な空気も好むので、風通しの良い場所を選んであげましょう。
園芸用の遮光カーテンなどを用い、人工的にその様な環境を作り上げる方法もあります。
次は、オニルリソウに適した用土についてお伝えします!
オニルリソウを育てる際の適した用土は何?
オニルリソウはやや水捌けの良い土壌を好みます。
過剰な乾燥も嫌うので、多少の保湿性を持つ用土が理想的です。
この様に、オニルリソウの用土づくりは多少難しい面があります。
具体的には「硬質の鹿沼土」「赤玉土」を半々に混ぜた混合土を用い、鉢植えの際は底に「軽石」を敷くと上手くいく様です。
「川砂」などを多少混ぜ合わせても良いでしょう。
オニルリソウの種や初期苗は腰水で育てるケースもあるので、用土が完成して終わり…ではなく、日々の管理が重要となります。
次は、オニルリソウに必要な肥料についてお伝えします!
オニルリソウの育て方!肥料はどうする?
オニルリソウは国内自生種なので、さほど肥料に依存しません。
ただ種や苗を育てる際や、花壇や庭・鉢やプランターへの植え付け時は、元肥を入れると根付きやすくなる場合があります。
オニルリソウには緩効性肥料を用います。
与え方は、種や苗の成育・若木の植え付け時の際に、軽く撒く程度で構いません。
では次は、オニルリソウの水やりポイントについてお伝えします!
オニルリソウを育てる際の水の量はどうする?
オニルリソウは自然下では、やや標高が高く乾燥気味の環境で育ちます。
ただ多肉植物の様に、葉や茎などに長期間水分を蓄えることはできません。
そのため水分を与える際は、鉢植えの場合を例に出すと、鉢底から流れ出るほどの水量を目安にしましょう。
オニルリソウへの水やりの回数は1週間に1〜2回ほどで構いません。
この際もオニルリソウの状態をよく見極めて、萎れたり元気がない様でしたら、水やりの回数を徐々に増やしましょう。
山岳地と人里は植物にとって、あまりに大きな環境の差があります。
これがベスト!という共通した方法は、なかなか断言し難い植物なのです。
以上で基本的なオニルリソウの育て方については終わりです。
次はオニルリソウの写真をお見せします!
オニルリソウの画像(写真)!種の特徴は?レッドリストに載っているの?
上記画像がオニルリソウです。
オニルリソウの種は多くの特徴を持ちます。
元々オニルリソウ全体が白い短毛に覆われていますが、その種は更に先端が鉤状であり、フックの様な役割を持ちます。
開花が終わり種をつけると、この鉤状の毛「鉤状毛」で野生動物の体毛や体表にくっつき、新たな土地に連れて行ってもらうのです。
山登りをした人の衣服にも、知らず知らずのうちにしつこくくっつく事から「ひっつき虫」という別称で古くから呼ばれています。
オニルリソウの種がこの様な方法を取るのは、一箇所に集中し水分や栄養を奪い合い共倒れを防ぐためです。
また血統の近いオニルリソウ同士の交雑を防ぐためという説もあります。
種の形は緩やかな楕円形をしており、円形の種と比べてひっつくための面積と鉤状毛を多く持つことができます。
オニルリソウは全国規模の環境省レッドリストには未記載ですが、8つの都道府県でレッドリスト入りしています。
特に長崎・佐賀・千葉県では絶滅手前の「絶滅危惧I類」と深刻な状況であり、茨城県では「絶滅危惧II類」となります。
次は、オニルリソウの開花時期についてお伝えします。
オニルリソウの開花時期や季節はいつ頃なの?
写真は先端部分が花、中央から根元にかけて種子となります。
オニルリソウの開花時期は7〜8月にかけてです。
季節は夏場の真っ只中となります。
淡い薄紫色の花色であり、花茎を伸ばし花序(花茎に連続して無数の蕾・花をつけること)として、まばら状態の多くの花を咲かせます。
次は、オニルリソウの値段についてお伝えします。
オニルリソウの値段や販売価格はいくらぐらいなの?
オニルリソウは園芸店等では市販されていません。
ネットを使い手に入れることができますが、由来が分からないケースが多いので避けた方が無難です。
レッドリスト入りしたオニルリソウをつかまされたら、たまったものではありませんからね。
そのため、レッドリストに指定されていない都道府県の山地から、野生種を採掘する必要があります。
従って諸経費を除いたオニルリソウの値段は「無料」です。
それでは、オニルリソウの苗の植え付けについてお伝えします!
オニルリソウの苗の植え付け(植え方)や植え替えの時期とやり方は?
写真はオオルリソウの種子です。
オニルリソウは一年生植物なので、植え替えは行いません。
初期植えの場所が肝心となり、一度根づけば寿命の短いオニルリソウにダメージを与えてしまうので、定住させるのが原則となります。
オニルリソウの苗は2〜3週間ほどは、鉢底に大きめの軽石や川砂を敷き、腰水(植木皿に常に新鮮な水を溜めた状態)で育てます。
この際には、よしず・ござ等を使い直射日光を避けてください。
順調に育つ様でしたら鉢植えの際は腰水をやめ、そのまま育ててみましょう。
オニルリソウを地植えする際は日向に近い半陰地、もしくは日除けを設置できる土地を選びます。
鹿沼土・赤玉土の大粒と川砂等をその土地の土と混ぜ合わせ、水捌けの良い土地を作りましょう。
苗は元々の土を根から取り除きますが、そちらも新しい土壌に混ぜ合わせてください。
その後緩効性肥料を少なめに足し、慎重に成育状況を観察し続けます。
この様にオニルリソウを始めとした山野草・高山植物の植え付けに絶対はありません。
その後の予後を注意深く観察し、臨機応変に水やりの増減・日当たり加減等をオニルリソウに聞きながら、細かな手を加え続ける必要があります。
それでは次に、オニルリソウの花言葉をお伝えします!
オニルリソウの花言葉や学名はなに?
オニルリソウの花言葉はどうやら存在しない様です。
オニルリソウが分類されたオオルリソウ属の代表的な植物であるオオルリソウには「真実の愛」という花言葉があるのですが…
オニルリソウの学名は「Cynoglossum asperrimum」と言います。
最後に、オニルリソウの種類や品種をお伝えします!
オニルリソウの種類や品種は何があるの?オオルリソウやヤマルリソウとの違いはなに?
オニルリソウは亜種を持たず育てることが難しいので、オオルリソウ属オニルリソウの1種のみで品種も存在しない様です。
オニルリソウの属名にもなっている「オオルリソウ」と言う、同属のよく似た山野草も同じ様な環境下に生育しており、間違われることがままあります。
両者の大きな違いはまず、その開花期と花序・花の特徴です。
オオルリソウの開花期は6月頃に始まり、それと入れ替わる様に、オニルリソウの開花期は7月から始まります。
またオオルリソウは花茎に密に花をつける花序を持ちますが、オニルリソウはかなり間隔をあけてまばらに開花します。
花茎と花序の広がりにも違いがあり、オオルリソウは規則正しく伸ばすのに対し、オニルリソウは無秩序な放射状に広がります。
そしてオオルリソウの花は、後述のヤマルリソウとそっくりですが半分ほどの大きさであり、しかも毒性を持ちます。
そのため鹿などの草食動物も寄り付かないので、虫食いや食害の痕跡が少ないのがオオルリソウとなるのです。
次にヤマルリソウと両者の違いですが、元々の分類から異なり、ヤマルリソウは「ムラサキ科ルリソウ属」の植物です。
そしてオオルリソウ属の両者とは、草の丈が決定的に異なります。
ヤマルリソウはタンポポの様に地表に葉が広がり、花序も持ちますが花茎の頂点に一輪の花を咲かせる「単独花序」となります。
それでは最後に、これまでのおさらいをしていきましょう。
オニルリソウのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは7個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①オニルリソウの育て方(環境、土、肥料、水やり)
明るめの半陰性の環境を好み、耐暑性が低い植物なので夏場はこざや園芸用シートで影を作りましょう。
土はやや水捌けが良く、それでいて一定の保湿性も望むので、赤玉土・鹿沼土・川砂・白石などを上手く配合した混合用土を作ります。
肥料は緩効性肥料を軽く撒く程度で構いません。
発芽から初期苗は腰水を使い、その後は成長に応じ水やりの回数を減らしてあげます。
②オニルリソウの画像(写真)!種の特徴は?レッドリストに載っているの?
種は「鉤状毛」を持ち、別名「ひっつき虫」として有名です。
楕円状をしており表面積が大きく、密に鉤状毛が生えており、人の衣服・動物の体毛にひっつき新たな土地で芽吹きます。
8つの都道府県でレッドリスト入りしており、特に長崎・千葉・茨城県は絶滅手前の絶滅危惧Ⅰ類に指定されており、危機的状況です。
③オニルリソウの開花時期や季節はいつ頃なの?
夏場の7〜8月に開花時期を迎えます。
④オニルリソウの値段や販売価格はいくらぐらいなの?
園芸店などで流通することはなく、出所不明のものがネット上にたまに出回ります。
育てる際は自家採取が基本となるので、販売価格はないと言っていいでしょう。
⑤オニルリソウの苗の植え付け(植え方)や植え替えの時期とやり方は?
鹿沼土・赤玉土をベースとした混合土と元々の土を混ぜ合わせ、そこに植え付けます。
覆土をすると安定する様です。
一年生植物なので一旦根付いたら無闇に植え替えをする必要はありません。
⑥オニルリソウの花言葉や学名はなに?
学名はCynoglossum asperrimumと言います。
花言葉は存在しません。
⑦オニルリソウの種類や品種は何があるの?オオルリソウや⑧ヤマルリソウとの違いはなに?
オニルリソウは花序がまばらであり放射状に花茎が伸びます。
オオルリソウの花序は規則正しく真っ直ぐに伸び、非常に密です。
ヤマルリソウは単独花序であり、無数に花をつけることはありません。
それぞれオニルリソウ・オオルリソウは同属種ですが、ヤマルリソウは分類そのものが異なります。
ヤマルリソウはタンポポの様に地表近くに葉を伸ばし、他の2種と草丈が全く異なります。
オオルリソウは有毒種であり、ほとんど食害の痕跡がありません。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメントを残す