みなさんこんにちは。
今回は、ウチョウランについてまとめていきたいと思います。
ウチョウランは、ラン科のウチョウラン属で、自生ランの一種で小柄な多年草です。
英語名は「Orchis graminifolia)」で、学名は「Ponerorchis graminifolia」です。
ウチョウランは、朝鮮半島や本州北部から九州にかけて自生しており、美しい紫色で山野草として栽培されているため、野生のものは極めて稀となっています。
今回は、ウチョウランについてのポイント、
以上14個の点についてお伝えします。
まずはウチョウランの育て方からお伝えします!
目次(クリックで飛べます)
ウチョウランの育て方(栽培方法)は?ダンボールで育てることができるの?
ウチョウランは、日当たりや風通しが良く雨の当たらない場所を好みますが、ラン科の植物なので胚乳がなく、普通に種を蒔いても発芽することはほぼありません。
しかし、ダンボールを混ぜた土を使用することで発芽したことがわかってからは、ウチョウランにおけるダンボール種まきが普及しています。
ここからさらに詳しくお伝えします。
最初は、ウチョウランが好む環境についてお伝えします!
ウチョウランの育て方!環境はどうする?
ウチョウランは、直射日光の当たらない日当たりと風通しの良い場所や、雨の当たらない環境で育て、新芽が出る時期は、充分に日光を当て、葉が伸びる時期には、明るい日陰に置いてあげましょう。
晩秋の葉が枯れ、地上に出ている部分の水分がなくなってしまったら、冷たい風が当たらない棚下などに移して管理します。
また、休眠期は雨が当たらない場所に移し、凍らない程度の気温を維持してあげましょう。
次は、ウチョウランに適した用土についてお伝えします!
ウチョウランを育てる際の用土(培養土)の作り方は?鹿沼土がおすすめなの?
ウチョウランを育てる際の用土は、水はけの良い粗めの砂に、水はけの良いミズゴケなどを少し混ぜた物を使います。
用土には、適度な水はけと保水力のある硬質鹿沼土や桐生砂・小粒の軽石などを混ぜて使用するのがおすすめです。
それぞれ同量ずつ配合した用土に、山ごけか細かいヤシ殻のチップを2~3割混ぜて使用するのが良いでしょう。
次は、ウチョウランに必要な肥料についてお伝えします!
ウチョウランの育て方!肥料はどうする?
ウチョウランを育てる際の肥料は、3要素等量配合の緩効性肥料を4月~6月の間に月1回与えます。
肥料の量は、2~3号鉢で1つまみ程度、9月~10月にリン酸主体の液肥を2000倍に薄め、月に2~3回与えます。
また、ウチョウランを盆栽で育てる場合は、肥料を与えなくても良いでしょう。
では次は、ウチョウランの水やりポイントについてお伝えします!
ウチョウランを育てる際の水の量はどうする?
ウチョウランを育てる際の水やりは、冬以外は土の表面が乾いたら充分に水を与えます。
この時、新芽に水がかからないように水さしなどを使って根元に与えましょう。
以上で基本的なウチョウランの育て方については終わりです。
次はウチョウランの写真をお見せします!
ウチョウランの画像(写真)!特徴は?寿命はどれくらいなの?自生地はどこ?
ウチョウランは、球根から根と葉を出す多年草で、草丈は5~20cm前後、茎は斜め上を向き葉は2~3枚付いています。
茎の先には、数個から数十個の紅紫の花が付き、花びらには濃紫色の斑紋と距があります。
また、土の中には球根があり、夏には1~3個程の新球根が出き、秋には球根だけが越冬します。
ウチョウランの寿命ですが、種類にもよりますが、50年以上も生きるウチョウランもあります!
販売されているウチョウランは、おおよそ3年〜10年ほどのものだと考えることができます。
ウチョウランは、本州の北部から九州までの範囲で自生しています。
また、イワヒバなどの植物と共に湿っている場所に自生していることが多いです。
次に、ウチョウランの開花時期をお伝えします!
ウチョウランの開花時期や季節はいつ頃なの?
ウチョウランは、夏の6月~7月にかけて開花し、栽培している中でもこの時期が一番楽しみな時期となります。
長い花茎の先には、白やピンク色のかわいらしい花が10輪程付きます。
次は、ウチョウランの球根の値段や販売価格をお伝えします!
ウチョウランの球根の値段や販売価格はいくらぐらいなの?オークションで売られるの?
ウチョウランの球根は、インターネット通信販売で、10球セット価格2580円~3290円程で販売されています。
また、オークションでも販売されており、種類などにもよりますが1ポット300円~500円代の物が多く出回っています。
それでは次に、ウチョウランの苗や球根の植え付け(植え方)や植え替えの時期やポイントをお伝えします!
ウチョウランの苗や球根の植え付け(植え方)や植え替えの時期やポイントは?
ウチョウランは、球根の植物なので植え付けをする際は、球根が発芽する前の2月~3月頃が一番適した時期となります。
植え付ける前に、土やミズゴケを準備し鉢などの入れ物に球根を植え付けます。
この際もし、球根から根っこや芽が出ている場合ですが、1度折れてしまうと再生しないので、傷が付かないように植え付けます。
また、球根を植え付けた後は、軽く土やミズゴケを被せ水をたっぷり与えましょう。
ウチョウランの植え替え時期は、植え付けの時期と同じ2月~3月頃に行います。
鉢で栽培することが多いので、今までの物より一回り大きい鉢を用意し、その中に土やミズゴケを入れて置きます。
その際は、植え替えするウチョウランの球根に傷が付かないようそっと取り出し、新しい鉢に植え替えましょう。
球根が沢山分球していたら、別の鉢で育て増やしてあげると良いですよ。
また、根っこが安定するまでは日光に当たらない場所で管理し、こまめに水を与えてあげましょう。
次は、ウチョウランの地植えや水耕栽培(鉢植えや盆栽)で育てる際のポイントをお伝えします!
ウチョウランの地植えや水耕栽培(鉢植えや盆栽)で育てる際のポイントは?
ウチョウランは、通気性や保水性のある土が良く、ミズゴケや赤玉を使用し、日当たりや風通しの良い場所で鉢植えで管理します。
真夏は午後に日が当たらない場所に置いて管理するのが良いでしょう。
ウチョウランは、土の中の茎が伸び先端に球根が付き、そこから花茎が伸びるので、赤玉で植え付けた場合は、数年は植えたままで大丈夫です。
ミズゴケで植え付けた場合は、毎年春の発芽する前に植え替えるようにしましょう。
次に、ウチョウランの無菌培養のやり方をお伝えします!
ウチョウランの無菌培養に挑戦したい!やり方は?
ウチョウランの無菌培養とは、自力で発芽する養分を持っていないランに、ラン菌の変わりとなる人工的な栄養分を与える方法のことで、ランの種子を養分を加えたフラスコ内の寒天培地(バナナ・ジャガイモ・活性炭)に播種し、恒温20~25度の環境で培養し発芽させる方法です。
ここでは、ウチョウランの無菌培養の方法を紹介します。
- 交配
ピンセットなどで種子親の株の柱頭に花粉親の株の花粉を付けて受粉させます。
- 6ヵ月後(クリーンベンチ内での操作と培養室での管理 1~2年)
6ヶ月後に種を殺菌しますが、未熟種子の場合は、サクの表面を焼いて消毒してあげます。
また、さくが裂けている完熟種子の場合は、試験管の中に種子と消毒薬を入れ良く振って消毒します。
フラスコ内の寒天培地(バナナ・ジャガイモ・活性炭)の上に種子を蒔きます。
種が緑色となり、全体が膨らんできます。
葉や根が出てきて苗の形になってきます。
苗の生長に併せて随時植え替えを行います。
- 温室での管理(2~4年)
ある程度成長したらフラスコから苗を取り出し1株ずつポットに植え替えます。
外気になれさせるための順化を行った後は、室温で育て成長するごとに植え替えを行います。
次は、ウチョウランの増やし方をお伝えします!
ウチョウランの増やし方!種まき時期と種まきのポイントは?発芽ま何日でかかる?
ウチョウランは、秋に採取して置いた種を元々のウチョウランの時と同じダンボールを混ぜた物を苗床にし、冬から初春の2月~3月に種まきを行います。
この時、ダンボールは鉢に併一緒に入れても良いですし、2~3cmに切った物を用土の混ぜても良いです。
種を蒔いた後は、2~3年そのままで育てましょう。
それでは次に、ウチョウランのかかりうる病気(ウイルス)や害虫の対策方法をお伝えします!
ウチョウランのかかりうる病気(ウイルス)や害虫の対策方法は?
ウチョウランがかかりやすい病気には、「ウイルス病」、「灰色かび病(花・葉・株元)」、「輪紋病(アルタナリア)」の3つがあります。
先ず、「ウイルス病」ですが、葉が本来の通りではなく、捻れや凹凸が生じ、花や葉に斑点が現れます。
最悪の場合、株全体が本来の通りではなくなり、花も奇形となり、1度倒れてしまうとほとんど助かることはありません。
人の手による感染や、虫の吸い汁が原因となり感染するので、万が一発生した場合は、鉢ごと処分しましょう。
次に、「灰色かび病」ですが、花の根元が倒れたり、開花中の花に斑点が生じたり、枯れていない部分にかびが生じたりします。
低・中温気に他の植物と一緒に栽培することで発生しやすくなるので、湿度を低くし風通しを良くしてあげましょう。
最後に「輪紋病(アルタナリア)」ですが、高温期に発生し、葉や花に褐色の斑点が生じた後に葉全体が枯れてしまう病気です。
この病気は進行が早いので、発生したら早目に殺虫剤を散布しましょう。
次は、ウチョウランが枯れる(枯れた)原因と対策方法をお伝えします!
ウチョウランが枯れる(枯れた)原因と対策方法は?
ウチョウランは、病気や害虫だけではなく、気象・日照不足・強風などの気象変化のよって枯れてしまう場もが多々あるので、主なものをご紹介します。
- 熱風による脱水
ウチョウランの茎が弱い時に、高温による熱風にさらされてしまうと葉からの蒸散で根から吸水出来なくなり、茎の下部分にくびれが生じ数時間で枯れてしまうというもので、倒れても少しの間は根の状態も良いですが、回復することは望めません。
5月~6月頃の風が通り過ぎる明るいところで、茎・第一葉よりも下部分・花(唇弁)に発生しやすいです。
- 立ち枯れ症
鉢内の温度が高くなったり、高温時に高濃度の施肥や老廃物などの蓄積で根が傷み、20~30日経過後に倒れてしまいます。
原因は分かりづらく、始めは茎の最下部に枯れが生じ上部へと移動、立った状態のまま枯れて最後には倒れてしまいます。
主に7月~8月にビニールハウスや屋根のある屋内で多く、茎の最下部から発生します。
対処法は、鉢内の温度が高温にならないことと、高濃度または高温時の施肥にも注意しましょう。
- 茎のやけど
植え付けた土に長時間強い光が当たると、用土に接している茎の下部がやけどを起こし、その場所は褐色となってその後枯れてしまいます。
7月~8月の激温日に強い光が長時間当たる場所に置くと用土と茎が接する部分にやけどが起こります。
次に、ウチョウランの冬越しのやり方をお伝えします!
ウチョウランの冬越しのやり方は?花が終わったらどう手入れ(花がら摘み)するの?球根の保存方法は?
ウチョウランは、冬越ししている間は根っこも休眠している状態なので水を与えても吸収せずにそのまま鉢の中に残ってしまうため、水やりの頻度を下げ土やミズゴケが乾いてきたと思った数日後に、少しだけ水やりを行いましょう。
花が終わってしまったら、花の部分を摘み取り霜が降りるまで出来るだけ葉を長持ちさせます。
また、ウチョウランの球根は、冬に花や葉が枯れたところで球根を掘り起こし、不織布に入れ湿らせたミズゴケと一緒に保存容器へ入れた後、冷蔵庫の野菜室で管理するようにしましょう。
次は、ウチョウランとイワチドリやイワヒバの違いをお伝えします!
ウチョウランとイワチドリやイワヒバの違いはなに?
ウチョウランは、茎が斜め上を向き、長さ3~10cm程の葉が2~3枚程付いており、茎の先端には、数個から数十個の紅紫色の花が付いています。
イワチドリは、本州中部地方以西や四国に分布し、地下に1~2cm程の細長い球根があり、渓谷の湿った場所や岩の切れ目などに多く生息します。
長さ3~5cmの葉が1~2枚、4月末頃には、数輪の桃紫色の花を咲かせ、晩秋になると、葉は黄色に変わり春まで休眠します。
イワヒバは、「ヒカゲノカズラ植物門 イワヒバ科 シダ植物」の1つで、細く枝分かれした茎と鱗状の小さな葉が密集しています。
数回枝分かれを繰り返した後枝の成長は止まり新たな茎が出始めますが、放射状に広がった葉状の茎が、まるでヤシやソテツのように見えるんですよ。
次に、ウチョウランの花言葉をお伝えします!
ウチョウランの花言葉はなに?
ウチョウランの花言葉は、「静かな愛情」と「技巧的」の2つがあります。
岩場や崖などの厳しい環境の中でも、可憐な姿で咲くことから付けられた花言葉なんですよ。
それでは最後に、ウチョウランの種類や品種をお伝えします!
ウチョウランの種類や品種は何があるの?班入りの種類はなに?
ウチョウランは、学名の「ポネロルキス」に対し、日本名は「ウチョウラン」と呼んでいますが、その中にも更に「ウチョウラン」という種類があります。
これがグループ名なのか、種名なのかはっきりしていませんが、普通は「ポネロルキス」と呼ばれています。
ポネロルキスには、ウチョウラン・アワチドリ・クロカミラン・サツマチドリ・ヒナチドリ・ニョホウチドリなどの種類があります。
ウチョウランの中でも花びらに細かい斑が入った物が「クロカミラン」ですが、現在は、野生の物は絶滅しています。
それでは最後に、これまでのおさらいをしていきましょう。
ウチョウランのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは14個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①ウチョウランの育て方(環境、土、肥料、水やり)
ウチョウランは、直射日光の当たらない日当たりと風通しの良い場所や、雨の当たらない環境で育て、新芽が出る時期は、充分に日光を当て、葉が伸びる時期には、明るい日陰に置いてあげましょう。
晩秋の葉が枯れ、地上に出ている部分の水分がなくなってしまったら、冷たい風が当たらない棚下などに移して管理します。
また、休眠期は雨が当たらない場所に移し、凍らない程度の気温を維持してあげましょう。
ウチョウランを育てる際の用土は、水はけの良い粗めの砂に、水はけの良いミズゴケなどを少し混ぜた物を使います。
用土には、適度な水はけと保水力のある硬質鹿沼土や桐生砂・小粒の軽石などを混ぜて使用するのがおすすめです。
それぞれ同量ずつ配合した用土に、山ごけか細かいヤシ殻のチップを2~3割混ぜて使用するのが良いでしょう。
ウチョウランを育てる際の肥料は、3要素等量配合の緩効性肥料を4月~6月の間に月1回与えます。
肥料の量は、2~3号鉢で1つまみ程度、9月~10月にリン酸主体の液肥を2000倍に薄め、月に2~3回与えます。
また、ウチョウランを盆栽で育てる場合は、肥料を与えなくても良いでしょう。
ウチョウランを育てる際の水やりは、冬以外は土の表面が乾いたら充分に水を与えます。
この時、新芽に水がかからないように水さしなどを使って根元に与えましょう。
②ウチョウランの画像(写真)!特徴は?寿命はどれくらいなの?自生地はどこ?
ウチョウランは、球根から根と葉を出す多年草で、草丈は5~20cm前後、茎は斜め上を向き葉は2~3枚付いています。
茎の先には、数個から数十個の紅紫の花が付き、花びらには濃紫色の斑紋と距があります。
また、土の中には球根があり、夏には1~3個程の新球根が出き、秋には球根だけが越冬します。
③ウチョウランの開花時期や季節はいつ頃なの?
ウチョウランは、夏の6月~7月にかけて開花し、栽培している中でもこの時期が一番楽しみな時期となります。
長い花茎の先には、白やピンク色のかわいらしい花が10輪程付きます。
④ウチョウランの球根の値段や販売価格はいくらぐらいなの?オークションで売られるの?
ウチョウランの球根は、インターネット通信販売で、10球セット価格2580円~3290円程で販売されています。
また、オークションでも販売されており、種類などにもよりますが、1ポット300円~500円代の物が多く出回っています。
⑤ウチョウランの苗や球根の植え付け(植え方)や植え替えの時期やポイントは?
ウチョウランは、球根の植物なので植え付けをする際は、球根が発芽する前の2月~3月頃が一番適した時期となります。
植え付ける前に、土やミズゴケを準備し鉢などの入れ物に球根を植え付けます。
この際もし、球根から根っこや芽が出ている場合ですが、1度折れてしまうと再生しないので、傷が付かないように植え付けます。
また、球根を植え付けた後は、軽く土やミズゴケを被せ水をたっぷり与えましょう。
ウチョウランの植え替え時期は、植え付けの時期と同じ2月~3月頃に行います。
鉢で栽培することが多いので、今までの物より一回り大きい鉢を用意し、その中に土やミズゴケを入れて置きます。
その際は、植え替えするウチョウランの球根に傷が付かないようそっと取り出し、新しい鉢に植え替えましょう。
球根が沢山分球していたら、別の鉢で育て増やしてあげると良いですよ。
また、根っこが安定するまでは日光に当たらない場所で管理し、こまめに水を与えてあげましょう。
⑥ウチョウランの地植えや水耕栽培(鉢植えや盆栽)で育てる際のポイントは?
ウチョウランは、通気性や保水性のある土が良く、ミズゴケや赤玉を使用し、日当たりや風通しの良い場所で鉢植えで管理します。
真夏は午後に日が当たらない場所に置いて管理するのが良いでしょう。
ウチョウランは、土の中の茎が伸び先端に球根が付き、そこから花茎が伸びるので、赤玉で植え付けた場合は、数年は植えたままで大丈夫です。
ミズゴケで植え付けた場合は、毎年春の発芽する前に植え替えるようにしましょう。
⑦ウチョウランの無菌培養に挑戦したい!やり方は?
ウチョウランの無菌培養とは、自力で発芽する養分を持っていないランに、ラン菌の変わりとなる人工的な栄養分を与える方法のことで、ランの種子を養分を加えたフラスコ内の寒天培地(バナナ・ジャガイモ・活性炭)に播種し、恒温20~25度の環境で培養し発芽させる方法です。
ここでは、ウチョウランの無菌培養の方法を紹介します。
- 交配
ピンセットなどで種子親の株の柱頭に花粉親の株の花粉を付けて受粉させます。
- 6ヵ月後(クリーンベンチ内での操作と培養室での管理 1~2年)
6ヶ月後に種を殺菌しますが、未熟種子の場合は、サクの表面を焼いて消毒してあげます。
また、さくが裂けている完熟種子の場合は、試験管の中に種子と消毒薬を入れ良く振って消毒します。
フラスコ内の寒天培地(バナナ・ジャガイモ・活性炭)の上に種子を蒔きます。
種が緑色となり、全体が膨らんできます。
葉や根が出てきて苗の形になってきます。
苗の生長に併せて随時植え替えを行います。
- 温室での管理(2~4年)
ある程度成長したらフラスコから苗を取り出し1株ずつポットに植え替えます。
外気になれさせるための順化を行った後は、室温で育て成長するごとに植え替えを行います。
⑧ウチョウランの増やし方!種まき時期と種まきのポイントは?発芽ま何日でかかる?
ウチョウランは、秋に採取して置いた種を元々のウチョウランの時と同じダンボールを混ぜた物を苗床にし、冬から初春の2月~3月に種まきを行います。
この時、ダンボールは鉢に併一緒に入れても良いですし、2~3cmに切った物を用土の混ぜても良いです。
種を蒔いた後は、2~3年そのままで育てましょう。
⑨ウチョウランのかかりうる病気(ウイルス)や害虫の対策方法は?
ウチョウランがかかりやすい病気には、「ウイルス病」、「灰色かび病(花・葉・株元)」、「輪紋病(アルタナリア)」の3つがあります。
先ず、「ウイルス病」ですが、葉が本来の通りではなく、捻れや凹凸が生じ、花や葉に斑点が現れます。
最悪の場合、株全体が本来の通りではなくなり、花も奇形となり、1度倒れてしまうとほとんど助かることはありません。
人の手による感染や、虫の吸い汁が原因となり感染するので、万が一発生した場合は、鉢ごと処分しましょう。
次に、「灰色かび病」ですが、花の根元が倒れたり、開花中の花に斑点が生じたり、枯れていない部分にかびが生じたりします。
低・中温気に他の植物と一緒に栽培することで発生しやすくなるので、湿度を低くし風通しを良くしてあげましょう。
最後に「輪紋病(アルタナリア)」ですが、高温期に発生し、葉や花に褐色の斑点が生じた後に葉全体が枯れてしまう病気です。
この病気は進行が早いので、発生したら早目に殺虫剤を散布しましょう。
⑩ウチョウランが枯れる(枯れた)原因と対策方法は?
ウチョウランは、病気や害虫だけではなく、気象・日照不足・強風などの気象変化のよって枯れてしまう場もが多々あるので、主なものをご紹介します。
- 熱風による脱水
ウチョウランの茎が弱い時に、高温による熱風にさらされてしまうと葉からの蒸散で根から吸水出来なくなり、茎の下部分にくびれが生じ数時間で枯れてしまうというもので、倒れても少しの間は根の状態も良いですが、回復することは望めません。
5月~6月頃の風が通り過ぎる明るいところで、茎・第一葉よりも下部分・花(唇弁)に発生しやすいです。
- 立ち枯れ症
鉢内の温度が高くなったり、高温時に高濃度の施肥や老廃物などの蓄積で根が傷み、20~30日経過後に倒れてしまいます。
原因は分かりづらく、始めは茎の最下部に枯れが生じ上部へと移動、立った状態のまま枯れて最後には倒れてしまいます。
主に7月~8月にビニールハウスや屋根のある屋内で多く、茎の最下部から発生します。
対処法は、鉢内の温度が高温にならないことと、高濃度または高温時の施肥にも注意しましょう。
- 茎のやけど
植え付けた土に長時間強い光が当たると、用土に接している茎の下部がやけどを起こし、その場所は褐色となってその後枯れてしまいます。
7月~8月の激温日に強い光が長時間当たる場所に置くと用土と茎が接する部分にやけどが起こります。
⑪ウチョウランの冬越しのやり方は?花が終わったらどう手入れ(花がら摘み)するの?球根の保存方法は?
ウチョウランは、冬越ししている間は根っこも休眠している状態なので水を与えても吸収せずにそのまま鉢の中に残ってしまうため、水やりの頻度を下げ土やミズゴケが乾いてきたと思った数日後に、少しだけ水やりを行いましょう。
花が終わってしまったら、花の部分を摘み取り霜が降りるまで出来るだけ葉を長持ちさせます。
また、ウチョウランの球根は、冬に花や葉が枯れたところで球根を掘り起こし、不織布に入れ湿らせたミズゴケと一緒に保存容器へ入れた後、冷蔵庫の野菜室で管理するようにしましょう。
⑫ウチョウランとイワチドリやイワヒバの違いはなに?
ウチョウランは、茎が斜め上を向き、長さ3~10cm程の葉が2~3枚程付いており、茎の先端には、数個から数十個の紅紫色の花が付いています。
イワチドリは、本州中部地方以西や四国に分布し、地下に1~2cm程の細長い球根があり、渓谷の湿った場所や岩の切れ目などに多く生息します。
長さ3~5cmの葉が1~2枚、4月末頃には、数輪の桃紫色の花を咲かせ、晩秋になると、葉は黄色に変わり春まで休眠します。
イワヒバは、「ヒカゲノカズラ植物門 イワヒバ科 シダ植物」の1つで、細く枝分かれした茎と鱗状の小さな葉が密集しています。
数回枝分かれを繰り返した後枝の成長は止まり新たな茎が出始めますが、放射状に広がった葉状の茎が、まるでヤシやソテツのように見えるんですよ。
⑬ウチョウランの花言葉はなに?
ウチョウランの花言葉は、「静かな愛情」と「技巧的」の2つがあります。
岩場や崖などの厳しい環境の中でも、可憐な姿で咲くことから付けられた花言葉なんですよ。
⑭ウチョウランの種類や品種は何があるの?班入りの種類はなに?
ウチョウランは、学名の「ポネロルキス」に対し、日本名は「ウチョウラン」と呼んでいますが、その中にも更に「ウチョウラン」という種類があります。
これがグループ名なのか、種名なのかはっきりしていませんが、普通は「ポネロルキス」と呼ばれています。
ポネロルキスには、ウチョウラン・アワチドリ・クロカミラン・サツマチドリ・ヒナチドリ・ニョホウチドリなどの種類があります。
ウチョウランの中でも花びらに細かい斑が入った物が「クロカミラン」ですが、現在は、野生の物は絶滅しています。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメントを残す