みなさんこんにちは。
今回は、コブシ(辛夷)についてまとめていきたいと思います。
コブシは、モクレン科・モクレン属に属する落葉高樹です。
学名は「Magnolia kobus」で、原産地は日本の北海道~九州と韓国の済州島です。
別名は「ヤマアララギ」・「コブシハジカミ」ですが、アイヌ地方では「オマウクシニ」・「オプケニ」という地方独自の別名があります。
このアイヌの別名は、「良い匂いを出す木」・「放屁する木」という意味を持つそうです。
今回は、コブシ(辛夷)についてのポイント、
以上10個の点についてお伝えします。
まずはコブシ(辛夷)の育て方からお伝えします!
目次(クリックで飛べます)
コブシ(辛夷)の育て方は?
コブシは、落葉高樹なので広い場所で栽培する必要があります。
そのため、鉢植えには向かない樹木です。
また、日当たりが良い場所の方が生育も良く腐植質に富んだ用土で育てましょう。
ここからさらに詳しくお伝えします。
最初は、コブシ(辛夷)が好む環境についてお伝えします!
コブシ(辛夷)の育て方!環境はどうする?
コブシは、日当たりの良い場所で育てましょう。
半日陰でも育ちますが、生育は悪くなります。
また、若木の頃は強めの剪定はできない上に、コブシは移植も嫌います。
そのため、日当たりの良い広いスペースが必要です。
次は、コブシ(辛夷)に適した用土についてお伝えします!
コブシ(辛夷)を育てる際の適した用土は何?
コブシは、土質は選びませんが水はけの良く保湿性のある用土を好みます。
もともと山林に自生しているため、腐植質に富んだ土壌で育てると良いでしょう。
痩せた土や乾燥する用土だと花付きや成長が悪くなるので、庭に植え付ける際は、腐葉土を良く混ぜ込んでから植え付けてください。
次は、コブシ(辛夷)に必要な肥料についてお伝えします!
コブシ(辛夷)の育て方!肥料はどうする?
コブシは、木が若いうちは十分に肥料を与えましょう。
大きく成長すれば、追肥はいりません。
木が若いうちは、1月~2月に骨粉入りの油粕や緩効性肥料を株元に施してください。
5月にも追肥をすると翌年の花付きも良くなりますが、肥料を与えすぎると徒長するので様子をみながら追肥をしましょう。
では次は、コブシ(辛夷)の水やりポイントについてお伝えします!
コブシ(辛夷)を育てる際の水の量はどうする?
コブシは、ほぼ降雨のみで育ちます。
植え付けたあと、根付くまでの間のみ水やりをしましょう。
以上で基本的なコブシ(辛夷)の育て方については終わりです。
次はコブシ(辛夷)の写真をお見せします!
コブシ(辛夷)の画像(写真)!特徴は?花や実はどんな感じ?
コブシは、成長すると樹高10mにもなる高木です。
葉が成長するより前に開花し、花径は5cm~10cmほどで、花びらは薄く幅が狭いのが特徴です。
花色は純白ですが、外側は赤紫色を帯びていて色のコントラストがとてもきれいです。
また、分枝した枝の頂部に1輪しか付けず、花びらは6枚で大きく開きます。
そして、それぞれの花が色々な方向を向いて咲き、雌雄同株です。
枝葉、花、蕾には柑橘系のような香りがあり、蕾と花は花酒や花茶に使用されます。
コブシの蕾は、銀色の毛を付ける3枚の「萼片」で覆われているのも愛らしい姿です。
(コブシの蕾)
葉が成長すると長さ6cm~15cmほどになり、歪んだ卵形になります。
そして、葉の先端が少しつままれたように飛び出しているのが特徴的です。
葉は枝から互い違いに生え、縁にギザギザはなく若葉には毛がありますが、成長すると無毛になります。
コブシの実は、長さ約10cmほどの集合果です。
コブシの実は子どもの拳のような形とよく言われますが、実の形はそれぞれ違います。
(コブシの実)
7月下旬には黄緑色の実が徐々に赤色になっていきます。
実が熟すと赤色の仮種皮に覆われた種が出てきますが、白い糸を引きながら垂れ落ちてくるのでその様子は好みでない方もいらっしゃるでしょう。
(コブシの赤くなった実)
次に、コブシ(辛夷)の開花時期をお伝えします!
コブシ(辛夷)の開花時期や季節はいつ頃なの?
コブシの開花時期は、3月~4月上旬です。
葉は秋には黄色く紅葉し、落葉します。
コブシは早春に咲くことから、北海道や東北地方などではコブシが咲いたらその年の田植えをはじめる目安とされています。
そのため、「満作」・「田打ち桜」・「田植え桜」などとも呼ばれています。
栃木県では、コブシが咲いたらサトイモを植え付ける目安とされ、「芋植え花」と呼ばれていて、各地で農作業に着手する目安にされています。
次は、コブシ(辛夷)の苗の植え付けのポイントをお伝えします!
コブシ(辛夷)の苗の植え付けのポイントは?
コブシの苗の植え付けは、2月下旬~3月までに行いましょう。
しかし、寒冷地では十分に暖かくなってからの4月中旬以降に行ってください。
根が良く張っていない状態で越冬させると、根枯れしてしまうことがありますので注意しましょう。
また、植え付ける際には根を切らないように注意して、根鉢を3分の1ほど崩してから植え付けてください。
そして、深いところに植え付けないようにしましょう。
それでは次に、コブシ(辛夷)を盆栽で育てる時のポイントをお伝えします!
コブシ(辛夷)を盆栽で育てる時のポイントは?
コブシは、盆栽の場合も日当たりの良い場所で育てましょう。
しかし、盆栽の場合は冬場は寒さ対策が必要になります。
水やりは、春は1日に1回~2回、夏は1日2回~3回、冬は2日に1回を目安に行いましょう。
また、コブシを盆栽にする場合は肥料も必要とするため、春と秋に固形肥料を追肥してください。
剪定は、地植えと同じく開花後に行い、針金かけは剪定後に行えますが無理な針金かけは行わずに、剪定で樹形を整えましょう。
次は、コブシ(辛夷)の剪定のポイントをお伝えします!
コブシ(辛夷)の剪定のポイントは?
コブシは広い場所で育てられるのであれば、剪定はいりません。
特に若い木であれば成長する勢いを付けるために、株元から伸びる枝を切り落とすだけにしておきましょう。
成長したコブシを剪定するのであれば、コブシの花芽は6月頃に作られるので、開花後の剪定が一番です。
成長したコブシは、太い枝を切るのは避け、樹形を乱す枝が出てきたら切り落とす程度で良いです。
また、小さく仕立てたい場合は長く伸びた枝を短くしましょう。
そして、コブシは剪定すると切り口から雑菌が入りやすいので、癒合剤を塗っておいてください。
コブシは木が成長すると、2年に1回しか花を咲かせない「隔年開花」を起こしやすくなります。
そのため、花芽が極端に多く付いたときは秋~冬にかけて付いた蕾を半分ほど摘み取ってあげると隔年開花を起こしにくくなります。
次に、コブシ(辛夷)につく害虫の対策方法をお伝えします!
コブシ(辛夷)に毛虫が!害虫の対策方法は?
コブシは、葉を毛虫に食べられてしまうことも多いです。
そのため、毛虫による糞害も多いでしょう。
また、アブラムシやハダニ、カイガラムシなどの被害に合うこともあります。
特にカイガラムシは、すす病の原因になることもありますので注意しましょう。
しかし、コブシは性質が強いので葉が食べられてもまた新芽を出しますが株への負担は大きいです。
毛虫と言っても、コブシハバチの幼虫が付くことが多いので、見つけ次第捕獲し、水に漬けてしまえば駆除できます。
また、殺虫剤を使えばすぐに駆除できますが、使用する際には手袋やメガネなどを装着して行いましょう。
コブシハバチの幼虫であれば、毒はありませんが毒をもっている毛虫もあります。
大量に発生してしまい、毛虫の種類が判別できないなど手がつけられないのであれば、プロに相談したほうが安全かもしれません。
害虫を防ぐためにも風通しの良い環境を作ることも大切です。
次は、コブシ(辛夷)の漢方や生薬としての効果・効能をお伝えします!
コブシ(辛夷)の漢方や生薬としての効果・効能は?どんな成分なの?
コブシの蕾は、乾燥させて漢方として使用されます。
漢方名は「辛夷(しんい)」と言い、慢性副鼻腔炎や頭痛を伴う鼻炎に使用されます。
辛夷には、オイゲノール、シトラール、シネオールなどの有効成分が入っています。
次に、コブシ(辛夷)の花言葉をお伝えします!
コブシ(辛夷)の花言葉はなに?
コブシの花言葉は、「愛らしさ」「友愛」「友情」です。
このような花言葉は、こぶしの花言葉が子どもの拳に似ていて愛らしく、純白な花を咲かせることに由来するそうです。
それでは最後に、コブシ(辛夷)とハナミズキやモクレン(木蓮)、マグノリアとの違いをお伝えします!
コブシ(辛夷)とハナミズキやモクレン(木蓮)、マグノリアとの違いは?
ハナミズキはコブシと違い、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木です。
ハナミズキは白色やピンク色、赤色の花を咲かせますが、コブシよりも開花時期が遅く4月~5月にかけて見頃を迎えます。
また、ハナミズキの花は花ではなく「総苞」という葉が花びらのように変化したものです。
そして、まっすぐ上を向いて咲くのが特徴です。
(ハナミズキ)
モクレンは、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木で紫色の花を付けるものと白い花を付けるものがあります。
紫色の花は分かりやすいですが、白い花はコブシと似ています。
違いは、モクレンの花の方がコブシよりも少し大きく、花びらに厚みがあります。
そして、モクレンの花の咲き方は大きくは開かずに上向きに咲きます。
また、コブシには花の付け根に葉が1枚付きますがモクレンにはありません。
(モクレン)
(コブシ)
マグノリアは、コブシが属するモクレン属の英名(Magnolia)です。
モクレン属には多くの品種が属しておりますが、その中でも交配させて生まれた園芸品種のことを「マグノリア」と呼び、区別しています。
そして、交配の原種となるものも限られており、モクレン、ハクモクレン、コブシ、タムシバ、シデコブシ、オオヤマレンゲ、キャンベリー、キモクレンと交配させた園芸品種のことを「マグノリア」と呼びます。
それでは最後に、これまでのおさらいをしていきましょう。
コブシ(辛夷)のまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは10個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①コブシ(辛夷)の育て方(環境、土、肥料、水やり)
コブシは、日当たりの良い広い場所で育てましょう。
コブシは、土質は選びませんが水はけの良く保湿性のある用土を好みます。
もともと山林に自生しているため、腐植質に富んだ土壌で育てると良いでしょう。
コブシは、大きく成長したら追肥はいりません。
木が若いうちは、1月~2月に骨粉入りの油粕や緩効性肥料を株元に施してください。
しかし、肥料を与えすぎると徒長するので様子をみながら追肥をしましょう。
コブシは、植え付けたあと、根付くまでの間のみ水やりをしましょう。
②コブシ(辛夷)の画像(写真)!特徴は?花や実はどんな感じ?
コブシは、成長すると樹高10mにもなる高木です。
葉が成長するより前に開花し、花径は5cm~10cmほどどで、花びらは薄く幅が狭いのが特徴です。
花色は純白ですが、外側は赤紫色を帯びています。
また、分枝した枝の頂部に1輪しか付けず、花びらは6枚で大きく開きます。
そして、それぞれの花が色々な方向を向いて咲きます。
枝葉、花、蕾には柑橘系のような香りがあります。
コブシの蕾は、銀色の毛を付ける3枚の「萼片」で覆われているのも愛らしい姿です。
コブシの実は、長さ約10cmほどの集合果です。
コブシの実は子どもの拳のような形とよく言われますが、実の形はそれぞれ違います。
実が熟すと中から赤い種が出てきますが、白い糸を引きながら垂れ落ちてきます。
③コブシ(辛夷)の開花時期や季節はいつ頃なの?
コブシの開花時期は、3月~4月上旬です。
葉は秋には黄色く紅葉し、落葉します。
④コブシ(辛夷)の苗の植え付けのポイントは?
コブシの苗の植え付けは、2月下旬~3月までに行いましょう。
寒冷地では4月中旬以降に行ってください。
また、植え付ける際には根を切らないように注意して、根鉢を3分の1ほど崩してから植え付けてください。
そして、深いところに植えないようにしましょう。
⑤コブシ(辛夷)を盆栽で育てる時のポイントは?
コブシは、盆栽の場合も日当たりの良い場所で管理しましょう。
しかし、盆栽の場合は冬場は寒さ対策が必要になります。
剪定は地植えと同じく開花後に行い、無理な針金かけは行わずに、剪定で樹形を整えましょう。
⑥コブシ(辛夷)の剪定のポイントは?
コブシは広い場所で育てられるのであれば、剪定はいりません。
特に若い木であれば、株元から伸びる枝を切り落とすだけにしておきましょう。
剪定するのであれば、開花後の剪定が一番です。
十分に成長したコブシは、太い枝を切るのは避け、樹形を乱す枝が出てきたら切り落とす程度で良いです。
また、小さく仕立てたい場合は長く伸びた枝を短くしましょう。
切り口には癒合剤を塗っておいてください。
コブシは木が成長すると、2年に1回しか花を咲かせない「隔年開花」を起こしやすくなります。
そのため、花芽が極端に多く付いたときは秋~冬にかけて付いた蕾を半分ほど摘み取ってあげると隔年開花を起こしにくくなります。
⑦コブシ(辛夷)に毛虫が!害虫の対策方法は?
コブシは、葉を毛虫に食べられてしまうことも多いです。
そのため、毛虫による糞害も多いでしょう。
また、アブラムシやハダニ、カイガラムシなどの被害に合うこともあります。
毛虫と言っても、コブシハバチの幼虫が付くことが多いので、見つけ次第捕獲し、水に漬けてしまえば駆除できます。
また、殺虫剤を使えばすぐに駆除できます。
コブシハバチの幼虫であれば、毒はありませんが毒をもっている毛虫もあります。
毛虫の種類が判別できないなど手がつけられないのであれば、プロに相談したほうが安全かもしれません。
害虫を防ぐためにも風通しの良い環境を作ることも大切です。
⑧コブシ(辛夷)の漢方や生薬としての効果・効能は?どんな成分なの?
コブシの蕾は、乾燥させて漢方として使用されます。
漢方名は「辛夷(しんい)」と言い、慢性副鼻腔炎や頭痛を伴う鼻炎に使用されます。
オイゲノール、シトラール、シネオールなどの有効成分が入っています。
⑨コブシ(辛夷)の花言葉はなに?
コブシの花言葉は、「愛らしさ」・「友愛」・「友情」です。
⑩コブシ(辛夷)とハナミズキやモクレン(木蓮)、マグノリアとの違いは?
ハナミズキはコブシと違い、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木です。
ハナミズキは、コブシよりも開花時期が遅く4月~5月にかけて見頃を迎えます。
また、ハナミズキの花は花ではなく「総苞」で、まっすぐ上を向いて咲くのが特徴です。
モクレンは、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木で紫色の花を付けるものと白い花を付けるものがあります。
違いは、モクレンの花の方がコブシよりも少し大きく、花びらに厚みがあります。
そして、モクレンの花の咲き方は大きくは開かずに上向きに咲きます。
また、コブシには花の付け根に葉が1枚付きますがモクレンにはありません。
マグノリアは、コブシが属するモクレン属の英名(Magnolia)です。
モクレン属には多くの品種が属しておりますが、その中でも交配させて生まれた園芸品種のことを「マグノリア」と呼び、区別しています。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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